音楽の現場を支える、プロ・オーディオの歴史を振り返るソニーの新サイトが公開
ソニーは先日、音楽制作プロフェッショナル向けのオーディオ機器やテクノロジーについて、これまでの軌跡を紹介するウェブサイト「Sony’s Professional Audio」を公開しました。
アナログ・レコード、CD、ダウンロード、そしてストリーミング。移り変わる音楽の楽しみ方とともに、音楽の制作現場も常に変化を遂げています。ソニーは、その現場の声に耳を傾け、技術の追求を続けてきました。1958年に発売した国産初のコンデンサー・マイクC-37A型を皮切りに、現在、欧米を中心に現在展開している立体的な音場を実現する「360 Reality Audio」まで、60年以上にわたる音楽制作に関する商品、テクノロジーをこのサイトで振り返ることができます。
Storyが伝える、プロ・オーディオの歴史
このサイトでは、ソニーが音楽の制作現場に提供してきた商品と技術の歴史を、インタビューをもとに5つのチャプターに分けて紐解かれています。現場で活躍する方々のインタビューからは、実際に使用したからこそ分かる機材の使用感が鮮明に伝わってきます。
Chapter1では、第二次世界大戦直後までさかのぼり、ソニーの前身会社である東京通信工業が開発した国内初のテープレコーダーや国産初の真空管コンデンサー・マイクC-37Aなど、音楽制作の発展を導く基礎について記されています。インタビューでは、名だたるアーティストを手掛けたレコーディングエンジニアの吉田保氏が登場。3月21日(日)にストリーミング解禁となった大滝詠一の『A Long Vacation』のレコーディングでは、「透き通るような声が忠実にキャッチできる」とC-37Aを愛用していたそうです。

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Chapter2では、アナログ・レコードが主流となっていた1970年代が舞台。音声をデジタルデータとして記録・再生するための、“CDを見据えた”技術開発について綴られています。1980年代には、ソニーのデジタル・マスタリング・システムの歪みのない特性に目をつけた名匠、ボブ・ラドウィック氏が、マドンナやメタリカなどのレコーディングに同製品を活用し、海外にも普及していきました。

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Chapter3では、1980年から1990年代に全世界のレコーディングシーンで普及したデジタル・マルチトラック・レコーダーにフォーカスしています。このレコーダーは、アナログからデジタルへの過渡期に、その鋭い視点に向き合い、徹底的な現場目線で開発されました。ここではレコーディング/マスタリング・エンジニアの鈴木浩二氏と、浜田省吾や玉置浩二などを担当したレコーディングエンジニアの松尾順二氏が語り部となって登場します。
このレコーダーは、ポール・サイモンの『グレイスランド』やブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』でも使用されており、mora qualitasでも楽しむことができます。

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Chapter4では、その性能の高さゆえに現在も現場で用いられている1990年代のプロ・オーディオ製品の数々が紹介されています。根強いファンが多い真空管コンデンサー・マイクC-800Gは、“音の細かさや伝達能力といったパフォーマンスへの信頼度の高さ”から、エンジニアのトッド・ホワイトロック氏の愛用品。同マイクは、伝説的なジャズ・ボーカリスト、ナンシー・ウィルソンがグラミー賞を獲得した『ターンド・トゥ・ブルー』やキャスリーン・バトルのグラミー・ノミネート作『So Many Stars』などのレコーディングにも用いられました。

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最終章であるChapter5では、高解像度サウンドを実現するプロ・オーディオについて、mora qualitasでも配信中のOfficial髭男dismや藤井風などを手掛けたエンジニア、小森雅仁氏が語ります。新たな立体音響技術、「360 Reality Audio」の将来性についても語られています。
Storyのほか、最新の100シリーズマイクロフォンのインプレッションやその特性、サンプル音源などを掲載したたMicrophoneセクション、シーンによって求められるヘッドホンの役割や、ヘッドホンの歴史をまとめたHeadphoneセクション、「360 Reality Audio」の詳細が掲載されたSpacial Soundセクションなど、ソニーのプロオーディオ関連情報が盛りだくさんです。是非ご覧ください。
▼Sony’s Professional Audioはこちら